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石川真生という写真家のことを、全くしらかなかった。今度、「かぜのね」で写真展があるし、石川さん本人も来るということなので、蒔田さんが貸してくれたこの本を読んだ。
この本の、というより彼女のどこがすごいのか、それはやっぱりブレがないところだと思う。
私が大嫌いなのは、自分にだけ正義があるとうぬぼれ、相手を悪ときめつけてしまうこと。自分だけが正しいと思い込み、相手を切り捨てて平然としていること。P227
ずしん、とくる。「正義の運動」をしている人たちによくある態度だ。それも仲間内で。仲間だと言ってる人をよく切り捨てられるよね、と思う。自分と違う考えを持っていると「裏切られた」なんて言って。
私は一人の人間を否定することはできない。人を否定して、カメラを構えたことはない。これは私のゆるぎのない性格だ。こいつをやっつけてやろうとか、こいつの悪いところを暴いてやろうとか、そんなふうに思って、カメラを持って人の前に立ったことはない。
私はいつも人を理解しようと思っている。絶対に、頭から人を否定することはしない。先入観にとらわれず、白紙の状態で、一人の人間として向かい合うだけ。それが、私の取材のやり方だ。
最近、あるグループでいざこざがあったときに、問題になっている人がなぜそういうことを言い出したのか、それが知りたいというと、「あなたはとても純粋な人だから」といわれ、ムッとした。なーにが純粋か。「どうしてあなたは純粋じゃないのかねぇ」って言えばよかったけど、こういうことって、いつもずっと後になって思いつくんだよね。いいんだか、悪いんだかわかんないけど。
石川真生が本のなかで言っていた。「私は一本一本の木を大切にする。決して森を語るようなことはしない」 その言葉を見て、わたしのなかのあせりの正体をみたような気がした。私は森を語りたかった、というより森をみたかったんだって。森の中にいて木々のなかで満足しているんだけど、空飛ぶトリがみているように、私のいる森の全体像がみたかったんだって。 一本一本の木を大切にしなければならないのはよくわかっている。だからこそ、この一本の木がどんな森をつくりだしているのか、気になってしようがない。
だけど、どんなに森がみたくても、鳥にでもなって空飛ばなきゃみれないじゃん。残念ながら私は鳥じゃないんだし、ないものねだりはやめて、一本の木をよくよく知って、その森にどんな木があるかできるかぎり集めて、森を想像するしかないんだよ、やっぱり。
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